伝承折形(のし付き紙幣包み) - 祝儀袋の原点 -
折形(おりがた)は、贈答などに用いられる紙を折って物を包む日本の礼法のひとつです。
室町時代に確立され、上級武家の礼法として600年の長い年月をかけて伝承されてきた包みの作法「折形」。 その「折形作法」を現代の暮らしの中で実践できるもののひとつに、「紙幣包み」があります。 ご紹介する「のし付き折形紙幣包み」は、祝儀袋や熨斗紙の原点ともいえるもので、半紙や奉書紙はもとより、一般的なA4のコピー紙でも、御礼や御祝、お年玉などのちょっとした贈りものを包める実用的な折形です。 豪華絢爛とは対極にある日本の美や日本の心を伝える「のし付き折形紙幣包み」で、あなたの贈る心をより豊かに表現されてみてはいかがでしょうか。 ※奉書紙で折った「のし付き折形紙幣包み」 |
「のし付き折形紙幣包み」の折り方
※青の破線は谷折り、赤の破線は山折り、水色部分は折った面、ピンク部分は開いた面 はじめに、紙を縦に置き下辺を左辺につけて谷折りします。1.直角二等辺三角形(水色)の左下の低角を右上の低角に重ね谷折り。(青の破線を谷折り) 2.直角二等辺三角形(水色)の頂角を向かい合う辺の中心に重ね谷折り。(青の破線を谷折り) 3.上下をひっくり返す。 4.(3.)で折ったところを開き(ピンクの三角形)、青の破線を谷折り。 5.水色の袋部分の赤い破線を山折りに開いて、その下に再度(3.)で谷折りした三角形差し込む。 【熨斗部分の作成】 6.(5.)で開いた正方形部分(ピンク)の青い破線を谷折り。
11.熨斗と紅の色紙を一緒に熨斗の折り目に沿って再度折り、青い破線を谷折り。 12.赤い破線を図の位置で山折り。 13.さらに図の位置で赤の破線を山折り。 14.裏返して最後に折った左側の帯(水色)が上になるように右側の帯を差し込む。 15.表に戻して完成です。 日本の伝統色と和風素材 - モダンのし紙・和柄包装紙 日本の伝統色とモダンなデザインでシンプルなのし紙を作ってみませんか。 各必須項目を入力、及び選択し、[View]ボタンをクリック、配色が決まったら[PDF]でダウンロードしてお使いください。 【表書き例】 おめでとう、お疲れ様、ほんの気持ち、心ばかり、お祝い、内祝い、祝聖夜、降誕祭御祝 お心付けやお年玉を包む際の金額の目安は こちら を参考にしてください。 |
礼法の「折形」と遊戯の「折り紙」
●包結圖説
●秘傳千羽鶴折形 |
●世界の“Origami”とそのルーツ「折形」 折り紙は、「折形礼法」の中にそのルーツのひとつを見ることができます。 江戸時代の中期、幕府の礼法指南役だった伊勢貞丈が1764年(宝暦14年)に書いた「包結圖説」により、それまで武士の礼法であった折形が広く一般庶民に知られるようになりました。 そしてそのことが自然発生的に格式ある武士の「礼法」の折形から庶民の「遊び」の折り紙が誕生するきっかけになったのではないかと考えられています。 「包結圖説」の発刊から、次第に庶民の間に浸透していった折り紙は、三十年余りのときを経て、やがて折り紙の世界最初の指南本である「秘傳千羽鶴折形」という形で世に出ることになります。 ※写真上 『包結圖説』 (1764年)伊勢貞丈 著 ※写真下 『秘傳千羽鶴折形』 (1797年)吉野屋為八 著 |
ぽち袋風折形「お年玉包み」の折り方初心者でも簡単に折れる折形「略式紙幣包み」をぽち袋風にアレンジしてみました。はさみものりも一切使わず、折るだけで簡単に作れるポチ袋です。 作り方と展開図はこちらをご覧ください。 ●ぽち袋風折形「お年玉包み」 |
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